亜鉛めっき マックワイヤー 技術資料

マックワイヤー 技術資料

製品紹介

マックワイヤーの防食性

防食性について

素地鋼に対する優れた防食性能

電気めっき被膜には、多数のピンホールが存在し、そのピンホールより腐食が進むものと考えられます。

マックワイヤーの亜鉛めっきは、亜鉛自ら犠牲(白錆)となり、電気化学的に素材の鋼の腐食(赤錆)を防止する性質を有しています。

つまりピンホール部分が腐食雰囲気に晒されると、亜鉛めっきの白錆は発生しますが、中の素地鋼の腐食は防ぎます。

またワイヤの切断面も同様に切断面から先に腐食することはありません。

ニッケル、錫めっきとの防食性の比較

ニッケル、錫めっきの場合、めっき皮膜のピンホール部分が腐食雰囲気に晒されると、電気化学的にめっきより先に、素材の鋼を腐食する性質を持っているため、短時間の内に素材の鋼より赤錆の発生が見られます。

これを防止するには、ピンホールの極力少ないめっき被膜を作る以外に方法はなく、それには8μ以上のめっき厚さを必要としますが、電気めっき鋼線では現実的ではありません。

またニッケル、錫めっきワイヤの切断面の腐食を防止する方法は見当たりません。

亜鉛めっきの場合は、亜鉛めっき特有の電気化学的な犠牲的防食により、亜鉛の白錆は発生しますが、中の素地鋼の腐食は防ぎます。

素地鋼の防食目的から判断すると、マックワイヤーの亜鉛めっきの方が優れていると言えます。

亜鉛めっき

亜鉛めっきの場合、鉄よりイオン化傾向が
大きいので、亜鉛イオン(Zn2+)が溶け出し、
亜鉛めっきは腐食しますが、中の素地鋼の
腐食は防ぎます。

ニッケルめっき

ニッケルや錫めっきの場合、鉄の方がイオ
ン化傾向が大きいので、素地鋼から鉄イオ
ン(Fe2+)が溶け出し、素地鋼の腐食が発生
します。

各金属のイオン化傾向

金 属 亜鉛(Zn) 鉄(Fe) ニッケル(Ni) 錫(Sn)
電極電位(V) -0.76 -0.47 -0.27 -0.14

← イオン化傾向が大きい

イオン化傾向が小さい →

亜鉛めっきの白錆について

マックワイヤーは純亜鉛めっきのため、湿気等による腐食雰囲気に晒されれば、亜鉛めっき表面に白錆が発生します。

白錆とは亜鉛めっきの一般的な腐食過程で最初に生ずる亜鉛の水酸化物(ZnOH)のことを言います。

白い粉末状で、亜鉛特有の金属色や光沢もなく、見た目は濃い灰色に見えます。

この白錆が残っている間は、素材の鋼の赤錆が発生しにくいと言えます。

白錆の防止策

亜鉛めっきの白錆の防止策として、めっき後にクロメート皮膜処理をする方法が広く用いられてきました。

しかしクロメート処理は六価クロムや三価クロム溶液を使用するため、環境対策重視の観点により、この方法を採用できないのが現状です。

そのため環境の観点から白錆を防ぐ方法として、バネ成形後の熱処理温度を300~320℃に設定し、亜鉛めっき被膜を熱拡散により、亜鉛と鉄の合金めっき被膜に変化させる方法があります。

この方法であれば、腐食過程での白錆の発生量をほとんど気にならない程度までに抑えることができ、またそれにより耐食性も飛躍的に向上します。

ただし、この場合はバネ表面の色調は黒っぽく変色し、光沢もなくなります。

塩水噴霧テストについて

これは日本工業規格JIS Z2371によって規定された金属材料およびめっきの腐食テストの方法です。

35℃の恒温内で、濃度5%の塩水を8時間噴霧し、その後噴霧停止状態で16時間放置することを1サイクル(24時間)とし、その結果、素材の鋼の赤錆が被検査物表面積の何%を占めているかを判定します。

あまりにも過酷な、また凝縮された腐食テスト方法なために、現実問題として、この結果によって屋内外で自然的に発生する腐食までの期間を推測することは非常に困難と言えます。

あくまでも数種類の被検査物の比較テストの方法と考えるべきでしょう。

関連項目