熱処理温度は240℃以下をお勧めします
バネ加工後に低温熱処理(テンパー)を行う場合、亜鉛めっき鋼線はステンレス鋼線やニッケルめっき鋼線と比べ熱処理温度に注意が必要です。
当社の亜鉛めっきの場合、素地の鉄分が亜鉛めっき層に熱拡散(合金化)を始める温度は250℃で、拡散層がめっき表面に至るとめっきの色調と光沢が変わります。
したがって亜鉛めっきの色調と光沢を変化させたくない場合、炉の温度分布のバラツキを考慮して240℃以下の熱処理温度で行うことをお勧めします。
240℃以下であれば熱処理時間に関係なく熱処理前の色調、光沢を維持でます。
熱処理温度を250℃以上にすると
熱処理温度が250℃を超えると鉄が亜鉛めっき層に熱拡散を始め、温度の上昇、時間の経過に比例してめっき表面の光沢は低下し、色調も変化して色ムラが発生します。
しかし熱拡散に比例してめっきの耐食性は向上します。
250~280℃の温度域は、めっき表面の色調、光沢に対して最も不安定となりますので、前もってサンプルテストされることをお勧めいたします。
280℃を超えると亜鉛めっきの光沢は完全になくなり黒く変色しますが耐食性は熱処理前と比べ約2.3倍に向上します。
熱処理温度は何度まで大丈夫か?
亜鉛めっき鋼線「マックワイヤー」のめっき被膜は350℃、10分の熱処理でも耐食性の低下やめっき被膜の破壊は見受けられません。
ただしめっき表面は黒く変色し、光沢はありません。